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2017年3月の本です。人工知能そのものを説明した書籍ではなく、人工知能に対して、人間は何を重視して学ぶべきか、を説明した書籍です。

正確性や高速性の面では人工知能が有利です。一方、人間は直観を重視すべきだとゆうことです。クライン氏の提唱する死亡前死因分析法(Pre-Mortem method)や生存理由分析法(Pro-Morten method)が直観力を高めるための手法になります。

カーマネン氏はこれに対して「人間の主観と自信過剰が判断を歪める」と反論しています。両者は敵対的共同研究を行なっており、第一線の研究者でも主張がわかれています。

人間ならでは能力を伸ばすためには、やはり個人的な経験や体験が重要で、そこから独自の感覚や教訓を得る必要があります。これは人工知能には難しいとされています。

人工知能時代に合わせて教育も変わっていくべきとされています。欧米では、オンライン通信教育も充実してきており、渡航しなくても受講でき、卒業までの費用を抑えることができます。

普段の学習でも人工知能を活用して、一人一人にあった学習方法を提供してくれるサービスが出てきているそうです。キュビナアカデミー(Qubena)がその一つです。

海外ではグーグルをはじめとしてビッグデータをかつようした「大人の人工知能」が主流ですが、日本がいまから戦うためには松尾教授が提唱する「子供の人工知能」と呼ばれる、人間の介在の小さく、実世界に近く、前提知識が少なく、ディープラーニングを活用した、破壊的イノベーションの人工知能を発展させていくのがよいのかもしれません。ディープラーニングには技術的な課題や盲点があるので、そこを解決する必要があります。